経営者は決算書からなにを読み解くべきか?

法人税や所得税の申告をする前に、会計事務所が書類を何枚も持ってきます。経営者は税金がいくらになるか、資金繰りは大丈夫かなどが心配で、せっかく会計事務所が作ってきてくれた書類は、あまり気にとめません。あえて気にするのは、売上が前期に比べ増えたか減ったかくらいでしょう。

しかし、経営に精通した経営者は、納める税金より、書類を良く見て、今後の方針をたててゆきます。一体、多くの書類の何を見ているのでしょう。

まず、損益計算書があります、収入から経費を引いて利益を算出したものです。経営に精通し書類を良く見る経営者は、売上総利益といって、いわゆる粗利の年々の変化を見ます。これは売上と直接原価の割合ですから、粗利が良いほど付加価値の高い仕事ができた、と分析し今後を考えます。

次に、貸借対照表を見ます。書類を良く見る経営者は、現金や預金などのすぐに使える資金と借入金を見ています。これ以上の借入をして設備投資ができるか、借入金を早めに返済できるか、などで今後を検討してゆきます。

最後は、キャッシュフローといって現金の増減が示される書類をみます。これで、その期の現金や預金などのすぐ使える資金が増えたか減ったかがわかります。会計事務所は、次の期の予想も幾通りかしてくれます。利益が発生しているのに資金繰りが出来ないなどと言う場合の原因を究明します。

こうして、決算書を検討することで、日々の経理のチェックと今後の方針を決めるのが、本来の経営のありかたでしょう。