会社経営に必要となる役職には社長や会長、専務など様々なものが存在します。これらは会社法で規定された機関とは異なるため、その実態が必ずしも一致するとは限りません。例えば社長や会長という肩書を付与されていたとしても、会社法上の代表取締役のような代表権が存在しない場合もあります。会社法には会社の運営上必要となる様々な機関が規定されています。そのうち役員と呼ばれるのは取締役、監査役、会計参与の3つです。
取締役は実際に会社の運営を担当する重要な機関です。株主総会と同様に、会社法上必須の機関とされています。どのような機関設計を行う場合にも、この2つの機関は設置しなければなりません。一方でその他の機関の設置は基本的に任意ですが、会社の規模や機関設計のあり方などによっては設置義務が発生することもあります。
例えば指名委員会や監査委員会を設置しない通常の公開会社で大会社の場合には取締役会と監査役会と会計監査人の設置が必須です。取締役会を設置した場合には基本的に監査役の選任と代表取締役の選定が求められます。また会計監査人を設置した場合にも監査役の選任が必要です。監査役は業務監査と会計監査を行い、取締役による業務遂行の監督と是正を行います。会計参与が取締役などと共に計算書類を作成する機関ですが、設置は任意です。